Be Think Vol.2『共につくる旅』から考えるワークショップを大手町で開催しました!

 2022/06/27

2022年6月24日『東京都離島区』として2回目となる都内でのワークショップ型イベント『Be Think』を開催しました。今回も離島との関わりや興味のある方々にお集まりいただきました。ご参加いただいた皆さま、発信やシェアなど告知にご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました!

今回も会場はもちろん、大手町にあるフロンティアコンサルティングさんの本社オフィス『OTEMACHI KORTO』です。

※フロンティアコンサルティングさんのオフィスを訪問した際の記事は下記よりご覧ください。

株式会社フロンティアコンサルティング本社オフィス訪問

多様化する働き方に順応した新たなワークスタイルや環境の創造に取り組まれている株式会社フロンティアコンサルティング本社オフィスに訪問してきました。

前回のBe Think開催報告の際にもご紹介をさせていただきましたが、フロンティアコンサルティングの創業メンバーであり執行役員である稲田晋司さんは、伊豆大島出身。都内にいながら、島に自らの技術や経験を使って貢献できる方法がないかずっと模索されている愛のある方です。私たちとも何度も情報を交換しているうちに、今回の機会が生み出されました。

都市と離島をかき混ぜて考える

島の文化や暮らし、産業など、島のあらゆる土台を形成してきたのは島に住んでいる島民だけによるものではなく、島内外の様々な人々が関わり合いながら育まれてきました。例えば、歴史を振り返ると、外から入ってきた人々の力を借りることで島の文化が大きく動き出した事実等を知ることができます。その象徴が、江戸時代を中心とする『流人』の存在です。

テクノロジーが発達した現代においては、場所を問わず情報を一瞬で共有することができます。そんな状況下では、たとえ島に暮らしていなくても、島に関わっていく手段は無限に考えることができます。そう考えると、島に愛を持って接してくださる方々のチカラを還元できるスペース(関わりしろ)を島側の私たちが積極的且つ継続的に用意し提供していくことが、これからも豊かに地域が続いていくための追い風となり力となる、と考えています。さらに、都市に暮らす人々にとっても、島での“貢献”や“役割”を持つことで、人生の可能性をひろげる機会につながると考えています。

そんなイメージから、東京都離島区では、都市と離島という地理的特製の垣根を超えて、情報やライフスタイルといったあらゆる要素をかき混ぜながら、毎回設定される特定のテーマについてより広く、深く、熱く、共に考えていく機会をつくっていく場『Be Think』を企画しました。

なぜ『共につくる旅』なのか

今回設定したテーマは、『共につくる旅』。旅ということなので、大きな枠で言うと観光の話になります。既存の観光の基本型は、島内の事業者があって、来訪者にサービスを提供し対価を得るというもの。これまでもこれからもこの基本スタイルは変わらないでしょう。その上で、東京都離島区としては『共創型』の観光スタイルも意識して増やしていくことが、より相互への好影響(Win-Win)を生み出していく契機となるのではないかと考えています。

これはあくまで仮説でしかありません。なので、「共につくる旅」を今回のテーマに設定し、この可能性について一緒に考える機会を持つことに決めました。

事例から学び、イメージをつくる

テーマをより深めるために、『共につくる旅』を実際に体現された活動をされているお二方にゲストとしてお越しいただき、事例を共有していただきました。

小林 希(こばやし のぞみ)さんの場合

旅作家の小林希さんは、2014年に瀬戸内海の離島「讃岐広島」を訪れ、その穏やかで美しい島の景色に「日本の原風景」を感じた一方で、減り続ける人口や進む高齢化、という課題を知ります。「このままでは島に人がいなくなってしまう」という島民の声を聞き、自分に何かお手伝いできることはないかと考えた結果、宿のない島に古民家を再生してゲストハウスをつくろうと提案します。それから島に何度となく通い、島の人たちと共にコツコツ作業を積み重ねながら「ゲストハウスひるねこ」をオープンしました。

そんな讃岐広島での共創体験について、プロジェクトを通しての学び・葛藤、そして現在も続いている関係性についてお話しいただきました。小林さんのお話から伺った“共につくる”というプロセスは、決して平坦な道のりではなく、時にぶつかり合い、喧嘩もしながら、お互いの信頼を積み重ねていく真剣勝負。「このままではやがて無人島になってしまう」という危機感を共有できたからこそ、より深い関係性が生まれ目標に向かって継続的に取り組めた一つの成功事例でした。

山内 香味(やまうち かみ)さんの場合

東京女子大学で観光を専攻として学ぶ山内 香味さん。ゼミにおけるプロジェクトから生まれた伊豆大島でのツアープラン作りをキッカケに、ゼミが終了した現在でも、自分たちが企画したツアープランの商品化を目指すことを決意し取り組んでいます。メンバーは山内さんを含め5名。プランを作る過程では、自ら視察にいき、自分たちの目で見て触れて体験して、島民の方々と一緒に企画したプランの可能性を検証している真っ最中とのことでした。そんな現在進行形の「共につくる旅」のプロセスを共有していただきました。

共に考えるワークショップ

2時間半という限られた時間。その中で関係性をより深め、お互い意味ある時間にするために、今回は参加者全員が架空の会社の社員という設定でワークショップを行いました。

こちらであらかじめ用意した架空の会社の概要や経営状況、今後のビジョン等、状況設定について説明し、その会社の社員になりきって頂きました。つまり、参加者全員がこの会社の社員ということになります。その上で、3つのチームに分かれ『離島が豊かに続いていくために、継続的な関係性を持つ人々を増やす』キッカケとなるようなプロジェクトアイデアを検討し提案します。今回の参加者も多種多様な立場年齢職種の方々が集まったので、ワクワクするようなアイデアが各チーム内で飛び交っていました。

各チームでユニークなアイデアがたくさん生まれました。ワークショップのプロセスで出たこぼれ話の中にもキラキラしたものがたくさん。全部ご紹介できないのが残念なくらいです。このアウトプットは“無責任”であることを重視しています。だからこそ、リラックスして情報交換ができると考えています。とは言え、繰り返すことでこのアイデアたちの中から事業として自走化へ向かうプロジェクトもあるような予感もしていますし、そんな展開もつくっていきたいと考えています。ワクワクしますよね!

多様性が生み出す相乗効果

今回の参加者も多種多様。島の事業者、島にルーツを持つ高校生、メディア、ライター、写真家、研究職、web関係、建築、学生(まちづくり、国際、芸術、観光)、プロダクト開発、プロジェクトマネージャー、OL、離島サークル運営、映像クリエイター、島との2拠点生活者などなど、様々な背景や興味を持った方々が集まりました。立場の違いによる対立も世の中には多いですが、建設的な関係性をつくることさえできれば、そこで起こる相乗効果(シナジー)は無限大。今後も場づくりに勤しみたいと思います。

島の味をお持ち帰り

神田にある『島酒場大』さんで作っていただいた島弁当をお土産に。店主の浅沼大さんは三宅島出身。いつも明るく美味しい島料理を振る舞ってくださる兄貴的存在です。

最後に

このイベントに答えはありませんし、即効性もありません。それでも、対話をする機会を積み重ねることで生まれる“何か”がきっとあると信じています。何より、僕らスタッフもこの場と時間がとても楽しいのです。皆さんとまた一緒に考えられることを楽しみにしています。

このイベントは、テーマを変えて定期的に開催をしていきます。次回は8月26日(金)18時〜の予定。詳細が決まりましたらご案内いたしますので、ご興味ある方はぜひご参加いただければと思います。大手町、もしくはどこかの島でお会いできることを楽しみにしております。

写真:青沼 宏樹(NUMAFILMS)
WEB
numafilms.tokyo
Instagram
numa.0ne_to_1/

協賛

次回以降の企画への協賛をしていただける企業や個人の方も随時募集しております。

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